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概要

harmonic202211

a n e s s a y l i t e r a r y j o t t i n g s 会員リレー随筆No.071offi ce with C はじめまして。茨木市下中条町にあります「こどもとmanabo」という保育付レンタルスペースを経営してます長ちょうと申します。9歳、6歳、3歳の子を持つ三児の母です。 私は夫の転勤の関係から北海道で2年間、まだ赤ちゃんだった長男とひきこもり生活を送ったことがあります。冬になると公園は除雪された雪たちを集める場所となるため秋頃から遊具で遊べなくなり、真冬の15時にはお外は真っ暗。大阪という便利で暖かい気候で友達も側にいるという環境は、すごくありがたい事だったんだと移住して改めて感じました。 こどもとのお出かけ先と言えば、子育て広場が唯一の場所でしたが、もう周りは既に輪ができていて、そこにぽんっと入り込むのがなかなか難しく、気疲れをして帰宅。友達作りがこんなに難しかったかなというのも初めての経験でした。我が子と向き合える時間がすごく長かったので、今となってはすごくありがたかったなと思えるのですが、あの頃はどこか心にぽっかり穴が空いているような感覚でした。 そんなある日、子育て広場の主催者さん達より「サポートスタッフとして助けてほしい」という、ありがたいお誘いがありました。一気に自分が世の中へ役立つ人間になれているという充実感とやりがいを感じました。「もっと意欲的にお手伝いしたい!」と、夫の職場でもボランティアや、地域のカフェオーナーともコラボ企画を考案するなど独身時代のやってきたノウハウを活かして毎日が充実するようになりました。一番ありがたかったのが、こどもがそばにいながら地域に貢献出来たことでした。もちろん途中で泣きますし、お腹が空いたり、色んな所へ遊びに行く長男。でも、みなさん温かく見ていてくださり、イベント主催者さんが我が子を含めての運営を考えてくださって、すごく救われることが多かったです。親子で楽しい北海道時代を過ごさせていただきました。 今現在、私が地域の親子さんが楽しんでもらえるようなイベント企画や、ママがやりたかったことが、少しずつ出来ています。お子さんもママのそばにいることが出来る空間を作りたかったのは過去の北海道時代があったからこそです。行ってみたいなと思ってもらえるような企画を考える時には、孤独だった自分を思い出します。「こんなのがあったら行きやすいのに」を活かしているところもあり「じゃあ、〇〇があったら喜ばれるかな?」など、ママたちの困っていることに気づけば改善を積み重ねています。 特に大切にしているのは、今まさに幼いお子さんを育児されているママのお話を聞いて、ニーズに合ったサービスのご提供ができるように努めていることです。現在、レンタルスペースをご利用頂いている講師やセラピストの皆様は全員ママで、お子さんは赤ちゃんから上は大学生といろんな方が、レッスンやサロンを運営されています。ママからのアイデアは本当に素晴らしくて、皆さんの声を集めて新しい企画が生まれています。 ママたちが考えて、ママたちが運営し、地域の親子さんが笑顔で楽しんでもらえる施設になっていること、非常にありがたく感じています。 今後は、過去の自分のようにお出かけ先に困っている親子さんにもこういう場所があるということを知ってもらえるように。そして、行ってみようかなと思ってもらえるような気軽さ、ワクワク感を大切にしていきたいと思っています。代 表 長   千 晴今まさに子育てしているママから生まれるアイデアを大切にしたいNov.2022 1